仏式の葬儀マナー

日本では通夜・葬儀の多くが仏式です。儀礼や作法はそれほど難しいものではありません。故人の死を悼み、遺族の方の悲しみを考えて行動することが一番大切です。

故人対面のマナー

ご遺族の方から故人との対面をすすめられることがあった場合、謹んでお受けしましょう。対面の作法には基本の手順があります。

1. 故人の枕元で正座し、両手をついて一礼。
2. 白布をとっていただいたら、両手を膝においた姿勢で対面。
3. 故人に一礼し、合掌。
4. 少し下がり遺族に一礼して退席。

遺族からすすめられなかった場合、こちらから対面を申し出るのは礼儀に反します。またどうしても対面がつらい場合は「気持ちに整理がついておりませんので」「取り乱したくありませんので」など、失礼のないように丁寧にお断りします。

数珠の持ち方・使い方

数珠は仏教徒の仏具で、その作りは宗派によって細かな違いがあります。特にこだわらない・自分の宗派がわからない場合はすべての宗派で使える略式の数珠を選ぶとよいでしょう。
※通夜・葬儀・告別式に持って行く数珠は、自分の宗派の数珠になります。
※数珠は個人のお守りとなりますので基本的に貸し借りはしません。

持ち方

1.斎場までは数珠入れやふくさなどに入れて持ち運びます。男性はポケットなどに入れて行きます。
2.使うときに取り出し、左手に持ちます。
3.読経のときは、輪の中に左手の4本の指を通して、親指で押さえて持ち、そのまま膝の上に置きます。

使い方

合掌の時は、片手、または両手の4本の指を通して、親指で押さえて持ちます。房は下垂らしたり、親指で押さえたり、宗派によって違います。
※数珠の使い方・持ち方については宗派や地域によって様々です。

焼香のやり方・作法

焼香は仏様や亡くなった方に対してお香を焚いて拝むことで、通夜と葬儀、両方で行われます。
左手に数珠を持ち、右手で細かく刻んだ香をつまんで香炉に入れた後、合掌します。

宗派による焼香の違い

香をつまんだときに押しいだたく・押しいただかない、また回数など、作法は宗派によって違います。これは焼香の意味が宗派によって違っているからです。
これらの作法は基本的に自分の宗派のもので行いますが、故人の宗派にあわせても問題はありません。

天台宗 押しいただく 回数に特に定めはない
真言宗 押しいただく 回数は3回
浄土宗 押しいただく 回数に特に定めはない
浄土真宗本願寺派(西本願寺) 押しいただかない 回数は1回
真宗大谷派(東本願寺) 押しいただかない 回数は2回
臨済宗 押しいただかない 回数は1回
曹洞宗 回数は2回 1回目は押しいただくが、2回目は押しいただかない
日蓮宗 押しいただかない 回数は1回、導師は3回

焼香の種類

式場の規模によって立礼焼香、座礼焼香、回し焼香とやり方が違ってきます。

立礼焼香

最近はホールで行うことが多いため、立礼焼香が主流となっています。
1.遺族に一礼 。
2.正面(祭壇)に一礼、または合掌。
このとき焼香する場所が僧侶より前の場合、僧侶にも一礼。
3.焼香を右手の三本の指で少しつまむ。
4.手のひらを返して押しいただく。このとき数珠を持った左手を少しだけ添える。
※押しいただかない宗派もあります。
5.香炉の中に静かに落とす。
※宗派によって焼香の回数は違います。
6.正面(祭壇)に合掌・礼拝。
7.遺族に一礼して退席する。

座礼焼香

お寺など畳敷きの部屋で行われる際には座礼焼香となります。
流れはすべて立礼焼香と同じで、違うのはすべて正座で行われることです。
また、移動するときは身を低くかがめるようにして歩きます。

回し焼香

参列者の人数が多すぎたり会場が自宅などで狭く焼香台が設置できない場合、焼香用の香炉を回していく回し焼香となります。

1.隣の方からお盆に載った焼香炉を受け取る。
2.両手で受け取り自分の前に置く。
3.焼香(宗派によって回数など違います)。
4.合掌・礼拝。
5.隣の方に焼香炉を回す。

※灰の入っている器は大変熱くなっています。直接触ったりしないようにしましょう。